企業PRや観光・地域PR、施設紹介などでドローン空撮を取り入れたいと思っても、
「この場所で飛ばして大丈夫なのか」
「国への申請は必要なのか」
「施設の許可も必要なのか」
といった疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
ドローン撮影では、航空法だけでなく、飛行する場所や撮影方法、施設・土地の管理状況など、複数の条件を確認する必要があります。
そのため、
「ドローンを飛ばせるかどうか」は、場所だけを見て判断できるものではありません。
この記事では、企業や自治体、観光施設などでドローン撮影を依頼する担当者の方に向けて、撮影前に知っておきたい許可・申請の基本を紹介します。
本記事は2026年9月時点の制度をもとにしています
ドローン撮影では「航空法」だけを確認すればよいわけではありません
ドローン撮影の相談を受けた際、まず確認するのがどこで、どのように飛行するのかです。
航空法では、飛行する空域や方法によって「特定飛行」に該当し、国土交通大臣の許可・承認が必要になる場合があります。
一方で、航空法上飛行できる場所であっても、施設や土地の管理者がドローン飛行を禁止していたり、別の法令や地域のルールが関係したりすることがあります。
つまり、ドローン空撮では、
航空法上飛行できるか
だけではなく、
その場所で撮影・飛行してよいか
まで確認する必要があります。
100g以上のドローンは機体登録が必要
日本では、100g以上の無人航空機は機体登録の対象です。
登録された機体には登録記号の表示が必要で、原則としてリモートIDによる識別情報の発信も求められます。国土交通省によると、機体登録の有効期間は3年間です。国土交通省
企業や自治体がドローン撮影を発注する場合、担当者自身が機体登録を行うわけではありませんが、
適切に登録・管理された機体を使用している撮影事業者か?
という点は、確認項目のひとつになります。
どのような飛行で許可・承認が必要になる?
航空法では、一定の空域や飛行方法が「特定飛行」とされています。
代表的なものには、
- 人口集中地区(DID)上空
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 人または物件から30m未満での飛行
- 空港等周辺
- 地表または水面から150m以上の上空
- 催し場所上空
- 危険物の輸送
- 物件投下
などがあります。国土交通省
例えば都市部にある施設を撮影する場合は、人口集中地区に該当する可能性があります。
また、
「夕景から夜景まで撮りたい」
となれば夜間飛行、
ドローンを建物や構造物に近づけて撮影したい場合には、30mの距離に関する条件などを確認する必要があります。
そのため、同じ撮影場所でもどのようなカットを撮りたいかによって必要な手続きが変わることがあります。
「ドローンの国家資格があればどこでも飛ばせる」わけではありません
2022年から無人航空機操縦者技能証明制度が始まり、一等・二等無人航空機操縦士という国家資格があります。
ただし、国家資格を持っていれば、すべての場所・方法で自由に飛行できるという制度ではありません。
現在の制度では、一定のカテゴリーⅡ飛行について、技能証明や機体認証などの条件を満たすことで許可・承認が不要になる場合があります。
一方、空港周辺、150m以上、催し場所上空など、条件によっては技能証明の有無にかかわらず個別の許可・承認が必要です。国土交通省
したがって発注側としては、
「資格を持っているか」だけで判断するのではなく、その撮影場所・方法に必要な手続きを確認しているか?
を見ることが重要です。
施設・土地管理者への確認も必要
ここは発注者の方に特に知っていただきたいポイントです。
国土交通省から飛行許可・承認を得ていることと、その場所をドローン撮影に使用してよいことは別の問題です。
例えば、
公園、観光施設、神社仏閣、河川、ダム、道路、公共施設などでは、それぞれの管理者によるルールが定められていることがあります。
撮影場所によっては、
撮影許可
施設使用許可
土地管理者との調整
などが必要になることもあります。
観光地や施設のPR撮影では、早い段階でロケーションを決め、必要な確認先を整理しておくことが大切です。
重要施設周辺には別の飛行規制があります
さらに注意したいのが、航空法とは別に定められている小型無人機等飛行禁止法です。
2026年7月14日に改正法が施行され、国会議事堂、官邸、皇居、対象となる防衛関係施設、空港などの重要施設と、その周囲おおむね1,000mの地域では、小型無人機等の飛行が原則として禁止されています。警察庁
例外として飛行する場合には、対象施設管理者の同意取得や、都道府県公安委員会等への通報などが必要になることがあります。警察庁
そのため、特に都市部や空港、防衛関係施設などの周辺で撮影する場合は、航空法だけで判断しないことが重要です。
撮影前には飛行計画などの確認も行います
必要な許可・承認を取得したら、それで準備が終わるわけではありません。
国土交通省のDIPS2.0では、飛行前に他の無人航空機の飛行計画や飛行禁止空域等を確認するとともに、対象となる飛行について飛行計画を通報する手続きがあります。【DIPS2.0】
さらに撮影現場では、
天候、風速、周囲の人や車両、建物や電線などの障害物、離着陸場所なども確認します。
ドローン空撮では、
許可を取ることそのものが目的ではなく、安全に撮影を実施するための計画を立てること
が重要です。
発注時に伝えていただきたい情報
企業や自治体からドローン撮影を依頼する場合、最初からすべての飛行条件を把握している必要はありません。
ただし、次のような情報があると、撮影可否や必要な手続きを判断しやすくなります。
撮影したい場所
施設名だけでなく、可能であれば具体的な撮影範囲。
撮影希望日・時間帯
日中なのか、日の出・夕景・夜景まで撮影したいのか。
撮影目的
企業PR、施設紹介、観光PR、イベント記録など。
撮りたい映像
施設全景、人物を追う映像、建物への接近、周辺環境など。
完成した映像の用途
Webサイト、YouTube、SNS、広告、イベントなど。
この情報をもとに、撮影方法と必要な手続きを検討していきます。
ドローン撮影は早めの相談がおすすめです
通常の地上撮影との大きな違いは、撮影場所によって事前確認に時間が必要になる可能性があることです。
例えば、
撮影候補地を決定
↓
飛行条件を確認
↓
施設・土地管理者へ確認
↓
必要に応じて許可・承認等の手続き
↓
安全な飛行ルートを検討
↓
撮影
という準備が必要になる場合があります。
「来週この場所でドローンを飛ばしたい」という相談よりも、企画段階からドローン撮影について相談していただいた方が、撮影方法の選択肢も広がります。
観光・地域PRでは撮影計画も映像制作の一部
観光施設や地域PRの撮影では、
「どこから飛ばすか」
だけではなく、
「どのような視点で撮れば、その場所の魅力が最も伝わるか」
まで考える必要があります。
山や海などの自然、施設と周辺環境との関係、人がその場所で過ごす様子など、地上撮影とドローン空撮を組み合わせることで、その場所をより立体的に伝えることができます。
ドローンを活用した観光PRについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
→ ドローン空撮を活用した観光PR動画とは?施設・観光スポットの魅力を伝える映像制作
また、自治体・観光協会での映像制作を検討している場合は、
→ 自治体・観光協会のPR動画制作|地域の魅力を伝える企画・撮影のポイント
ドローン空撮についてご相談ください
NoticeLeeでは、企業・施設・自治体・観光地域などのドローン空撮に対応しています。
撮影内容を伺いながら、飛行場所や撮影方法を確認し、必要な手続きや安全面を考慮した撮影計画を検討します。
「この場所でドローン撮影ができるか分からない」
という段階からでもご相談いただけます。

